大学3年から4年にかけて、多くの人は研究室配属というものを経験するのではないでしょうか。
しかし、研究室という存在は、なかなかなじみがないものですよね。
「大学の研究室ってそもそも何をするところなの?」「研究室配属されたら、どんな毎日を過ごすの?」と疑問に思っている人は多いでしょう。
そこで今回の記事では、大学の研究室での活動や学生はどんな役割があるのかについて、詳しく解説します。
僕は、大学4年生から修士課程2年+博士課程3年の合計6年間を研究室で過ごしました。自身の体験もふまえて、研究室とはどんなところなのか、これから研究室配属が待っている学生向けに記事にしてみました。
研究室とは?
研究室とは、大学や大学院において教授・准教授・助教・学生が特定の研究分野やテーマにおいて研究活動を共同で進める集団です。
一般的に、学部生は3年生や4年生から研究室に配属され、卒業研究(卒論)に取り組みます。
大学院へ進学した場合は、さらに専門的な研究を行い、修士課程2年間を経て修士論文を作成する人、その後の博士課程3年を経て博士論文を作成する人がいます。
ほとんどの学部・学科で研究室は存在しますので、様々な分野の研究室があります。
基本的には、学生の皆さんは所属する学部・学科の中で興味のある研究室や魅力的な先生の研究室を選んで所属先を決め、卒論などに取り組んでいきます。
分野、教授の方針、研究内容によって、研究室の雰囲気や研究の進め方は大きく異なりますので、自分に合いそうな研究室を選ぶことが重要です。
研究室での主な活動
研究室に配属された学生は、基本的には研究活動を行います。
短い人で1年程度、長い人は同じ研究室で6年以上も研究活動を行います。
以下に、研究室での具体的な活動を4つ紹介します。
研究テーマの設定と実験・調査
研究室では、それぞれの分野に応じた研究テーマを設定し、実験や調査を行います。
多くの研究室では教授や准教授の意向に従い、ある程度研究テーマが設定されていることが多いですが、自分の興味ある研究テーマを設定できることもあります。
具体的には、研究室にいる時間の多くを以下のような実験や調査に充てることがほとんどでしょう。
- 理系の研究室では、化学実験・ロボット開発・遺伝子解析などの実験を実施
- 文系の研究室では、文献研究・アンケート調査・フィールドワーク(現地調査)などを実施
ゼミ・ミーティングへの参加
一般的には、研究室では定期的にゼミ(セミナー)やミーティングが開かれます。
学生は自分の研究進捗を発表したり、論文を読み合わせたりして知識を深めます。
実験結果や文献調査のまとめ方、発表の方法なども学ぶ事ができ、社会人になってからとても役立つ能力になります。
また、ゼミでは教授や先輩からフィードバックをもらえることも多く、研究を進める上では貴重な機会となります。
成果の公表:論文執筆や学会発表
所属研究室の教授や准教授の方針も大きいですが、学生の実験結果がある程度まとまると、研究成果を学会で発表したり、論文執筆や特許出願したりすることもあります。
特に、修士・博士課程の学生は、学術誌に論文を投稿することが求められることが多いため、論文執筆がとても重要な研究活動になります。
先輩・後輩との交流
研究室は、教授だけでなく、先輩・後輩とのつながりが強い場所です。
先輩と一緒に研究を進めたり、後輩に研究を手伝ってもらったりします。
そうして、共同で研究を進め、より社会的インパクトの高い研究成果へと仕上げていきます。
また、研究室によっては飲み会やイベントが定期的に開催されることもあり、人間関係を深める場としても重要な場所です。
研究室の選び方
研究室の選択は、大学生活のみならず、就職活動や社会人になってからも大きく影響します。
具体的には、ある教授の研究室出身の学生を毎年採用する会社があったり、入社後のプレゼン機会において研究室で鍛えられた学生は評価が高かったりと、研究室の選び方や過ごし方で、その後の人生に大きな影響を与えるケースもあります。
研究室は以下のポイントを考慮して選ぶのがおすすめです。
研究テーマに対する興味
研究室は研究活動を行う場所ですので、研究することがメインです。
そこで、「自分が本当に興味を持てる分野か?」をよく確認しましょう。
興味のあるテーマなら、研究が楽しくなる一方、全く興味のない研究テーマをやらなければならなくなった場合、苦しい日々を過ごすことになります。
教授・先輩の雰囲気
研究室の人間関係も重要な要素です。
研究室の雰囲気は、教授の性格が大きな影響を与えます。
まずは、所属したい研究室の教授や准教授の講義を受けてみて、その人となりを大まかに確認しておくと良いでしょう。
また、あらかじめ研究室にいる先輩などに、以下のポイントについて話を聞いておくのも良いでしょう。
- 教授の指導方針は厳格か放任か
- 研究室の拘束時間(コアタイム)はどのくらいか
- 実験などが多く結果を求められる研究室か
卒業後の進路
研究室は、人生における通過点にすぎません。
学生は配属後に研究活動を行い、卒業して就職をします。
所属している学生がどんな就職先にいったか、その進路先を確認しておくのも重要です。
アカデミックポスト(助教、講師、准教授、教授など)に就きたい人は、そういう進路に強い影響を持っている教授のもとで研究活動をした方が良いでしょう。
また、特定の企業とのつながりが強い研究室もあります。
例えば、製薬企業に就職したいと思っている人は、製薬企業とつながりの強い研究室(大体、ライフサイエンス系の研究室だと思います)を選ぶと良いでしょう。
将来を見据えて研究室を選ぶことも一つの考えです!
研究室のメリット・デメリット
研究室配属にあたり、そのメリット・デメリットを以下にまとめました。
研究室選びにおいても、メリットを享受できそうでデメリットがなさそうな研究室を選ぶのが良いかと思います。
研究室のメリット
- 専門的な知識・スキルが身につく
- 自分で考え、問題解決する力が養われる
- 論理的思考力やプレゼン力が向上する
- 教授や先輩との人脈ができる
研究室のデメリット
- 研究が忙しくなる(特に理系)
- 教授や研究テーマとの相性が合わないと辛い
- 論文執筆や学会発表が負担になる
まとめ:研究室でどう過ごすかが人生に大きな影響を与える。
大学の研究室は、専門的な知識を深めるだけでなく、問題解決力や論理的思考力を鍛えられるところでもあります。
そのうえ、良好な人間関係を築く事ができれば、今後の人生においても大いに役立つと思います。
今回の記事の内容について、以下にまとめます。
研究室での主な活動
- 研究テーマの設定と実験・調査
- ゼミ・ミーティングへの参加
- 成果の公表:論文執筆や学会発表
- 先輩・後輩との交流
研究室選びのポイント
- 研究テーマに対する興味
- 教授・先輩の雰囲気
- 卒業後の進路
研究室に配属されたら、最初は論文を読んだり、実験や調査に取り組んだりして、研究の進め方をがっつり学んでおくことをおすすめします。
研究室での過ごし方は、卒業後の進路にも大きな影響を与えるため、しっかりと自分が納得できるような時間の使い方をすることをおすすめします。